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世界歴史
 起源はグランドラゴンが渾界に降り立った年を渾歴0年とする。そのころは灰の大地と赤の空の時代だった。

・竜の誕生 緑の大地と青の空の時代(渾歴0年〜)
 4対の角と3対の翼をもったグランドラゴンは孤独に涙をながすと、涙の一粒一粒がドラゴンの卵になり、そこからドラゴンが生まれた。グランドラゴンが喜びの咆吼をすると、大地が震え割れ、植物が生い茂り、水が噴き出した。やがて雲ができ、金色の雨が降ったと思うと、いろいろないきものがうまれたという。恵みあふれる大地で育ったグランドラゴンの子供たちはそれぞれ特徴がかわっていき、グランドラゴンはそこで名前を与えた。
<自分の存在の感謝と絶望の葛藤の末、グランドラゴンが始めて落とした涙>
 右目からの涙はレッディドラゴン、左目からの涙はワイティドラゴンと名付けられ、お互いケンカが絶えず、そのたび空の気候がかわり、大地を形成していった。
<生のなかった大地に子がうまれ、草木が生い茂り、水が沸いた恵みある大地に喜び讃えたときの涙>
 右目からの涙はテルーラドラゴン、左目からの涙はシードラゴンとなった。テルーラドラゴンは大地を守り、シードラゴンは海を守ることになった。
 その後、たくさんのドラゴンが生まれ、ドラゴン中心の世界が続く。

・空飛ぶ森の鳥達(渾歴138年〜)
 ここで5匹の竜が納める渾界に再び金の雨が降る。木がむくむくと動いたと思うと、木に生がうまれる(フォバーレットの誕生)。フォバーレット達はたちまち飛び立ち、森は草原になった。また今まで草原だった所に飛び降りるとフォバーレット達は木になった。
 ある日1羽のフォバーレットに黄金のリンゴが実る。たちまちそのフォバーレットの周りを仲間が守るように木になり、森ができる。

・人間降り立つ(渾歴165年〜)
 渾界に人間が降り立つ。男とも女ともいえないその人間は森を抜けるたびに子供を産み、子供は海を渡るたびに成長する。人間とその子供達の汗は草木をからし、息は空を汚した。
 怒り狂ったグランドラゴンは涙を流す。黄金のリンゴを守るラドーン、理性の無い破壊竜ウロボロス生まれる。
 やがて人間は黄金のリンゴにたどり着く。もぎ取ろうとする手は、ラドーンに阻まれ、理性を失ったウロボロスに殺される。ウロボロスはその後ラドーンをも殺してしまう。グランドラゴンはウロボロスに理性を与えるため、ウロボロス自身の尻尾を噛ませた。

・人間が人間でなくなった日(渾歴231年)
 世界を汚す人間に天罰がくだる。彼らが殺した動物の血が降ると、彼らの体はたちまち怪物のような姿になってしまった。それがゼウス、ポセイドン、メドゥーサなどでもあり、ここから神話が生まれていく。
 ドラゴンやほかの生物や怪物達とはあまりケンカにはならず、対等な立場を持ち続ける。
 金の雨が降ってはいろいろな生物が生まれ、虹の雨が降ると妖精などが生まれた。もちろん邪悪な怪物も生まれてはくるが、世を荒そうとはせず、おのおので地域をつくり暮らす。
 レッディドラゴンとワイティドラゴンはケンカ疲れで千年眠る。

・再び人が降り立つ(渾歴1121年〜)
 渾界各地に扉が開く。天界、冥界、人間界などから、天人、冥人、人間が降り立つ。驚異の繁殖力をもって増える。各地で国が生まれていく。

・オフェリア王の誕生(渾歴1154年〜)
 はるか北にある氷湖において、強力な天空魔術師の天人がオフェリア王と名乗り、国を作る(地天国)。北の地に住む他の生物たちも国に迎えられた。

・大地の魔術(渾歴1162年〜)
 西の荒野に冥人の国が出来る(ティゲル大族国)

・天人と冥人の友好(渾歴1185年〜)
 魔術を極めている地天国とティゲル大族国の永遠の友好のため、両王族を結婚させる。一年おきに地天国とティゲル大族国を行き来。翌年王子(アルテメラ)が生まれる。

・砂漠に位置する水の王国(渾歴1214年〜)
 天人と冥人との子供アルテメラがティゲル荒野の遙か南の砂漠地帯の町を治める。天空魔術、大地魔術の両方の魔力を持つと期待されたのだが、期待ははずれたため捨てられたのも同然であった。
 アルテメラは天空魔術、大地魔術、両道に通ずる水の魔力を持っていたため、水に飢えた民を救い、その町の長をつとめることになった。

・リヴリー生まれる(渾歴1227年〜)
 今まで地天国のために密かに動き、世界の真ん中の諸島で行われていた、最高魔法の研究(どんな世界でも次元でも自由に手のものに出来る力)がすすみ、その能力を持つ生き物が試験的に作られようとした。そして出来たのは魔法まがいの能力を使う小さな生物(リヴリー)。時空を移動する能力は弱く、どちらかといえば瞬間移動に近かった。知能が高く、何より虫を食べ、老廃物を結晶化させることで宝石を生み出す能力があったため、各地の裕福層で売買が激しく行われるようになった。
 オルケミア術学と呼ばれるこの研究は、主に天空魔術全般を使える地天国人、大地魔術全般を使える冥人によって構成された、オルケミア師団が行っていた。以前、天人と冥人の間に生まれた王子が、天空魔術、大地魔術の両道の魔力を持つ究極の能力を持つと期待されていたにも関わらず、水の魔術の力しか持たなく、期待はずれに終わったため、オフェリア王が世界の真ん中の諸島に派遣し、研究をさせていた。
 彼らはこの諸島を「Livly Island(リヴリー諸島)」と名付け、リヴリーの生産、売買に力を入れた。また、リヴリーは微弱ながらも空間移動の力を持っていたので、他世界にわたり、世界をこえて広まったと言われている。

・オフェリア世界侵略計画(渾歴1229年〜)
 オフェリア王は、世界にあふれる伝説の生物たちを使い世界統一を企てる。そのために力のあるドラゴンや、幻獣たちを捕まえ始める。

・竜戦勃発(渾歴1231年)
 竜を捕まえる上にその扱いがひどいことに対し、グランドラゴンが怒りに震える。ポタポタ涙を流しては怒れるドラゴンが生まれた。グランドラゴンは子供達と立ち上がる。この時、ウロボロスとシードラゴンが共にする。
 3匹と子供のドラゴンが地天国を襲う。炎は人を焼き、毒は人を絞め殺す。一晩にして地天国は廃墟になってしまう。永遠に復興はないと思われた。
 この時、ちょうど千年眠っていたレッディドラゴンとワイティドラゴンが目覚め、出会ったためケンカをし出した。他の国もめちゃくちゃになり、世界人口の3分の2が減少することになった。グランドラゴンは火を吹きすぎてしまったのと、レッディドラゴンとワイティドラゴンを静めたために、自ら数千年の眠りにつく。レッディドラゴンとワイティドラゴンはお互いが見えないように目を奪われ、咆吼が聞こえないように耳を切り落とされ、再び千年眠る。

・竜の王座(渾歴1231年〜)
 人が大好きだった大地の守り神のテルーラドラゴンがグランドラゴンの代わりになる。人間との共存と平和を願うが、妹のシードラゴンは人間が嫌いなため激しく対立していた。結局、シードラゴンが折れて海の底で暮らす。
 人のためなら何だってする。テルーラドラゴンは人を愛し、守り続ける。

・セアトリア独立(渾歴1235年〜)
 天人、冥人、人間が入り交じるこの世界で、次第に血が混じり合う。魔力を持つ者、持たない者の区別が薄れ、魔力が全体的に弱まっていた。
 そんな中、純血の人間のみで統制されるセアトリアが独立を果たした。魔術を嫌い、おそれ、国中に魔術の効果をうち消す花粉をつける花をいっぱいに咲かせた。

・燃える獅子、火の国(渾歴1238年〜)
 体が燃える獅子の駆ける所は1年燃え続け、人間との調和が乱れるとしてテルーラドラゴンにとらえられていたリオレイムがソイムの地に目覚める。そのまま、再びテルーラドラゴンに地中深くに縛り付けられるが、ソイムの領土は数年にわたり燃え続ける。
 「ある年、燃える獅子が現れ、我が国を聖なる炎で清めなさった」という言い伝えが火道術が広まる国、ソイムがやがて独立する。国内でおこる火山の噴火や地震はリオレイムの咆吼だとして、リオレイムをあがめ、たてまつる風習が根付く。
 また、火の国として多くの弱まった大地魔力がここで炎の魔術を極める土地になった。

・砂漠のオアシス、エンハンブレル(渾歴1240年〜)
 ティゲル荒野の遙か南の砂漠地帯にある町をおさめていた、アルテメラが正式に王国を確立する。
 名をアルテメラからエンハンブレルに改名し、王国の名前をエンハンブレルとした。徴兵制度をつくり、町を城下町にして砂漠一帯を支配した。また、水の魔術を使い王宮の前にオアシスを作ったり、砂漠の中とは思えない水の巨大水路を造ったり、国は一気に発展した。水には困らない国だったが、砂漠に生息する手ごわい生物に悩まされていた。そこで国独自で魔術の研究をはじめさせた。そしてワイバーンとヤギを掛け合わせたファリーラムがうまれる。
 そして魔術の研究も進められ、城下町には水の魔術を教える教育場もできる。

・密林のフローラ姫の楽園(渾歴1245年〜)
 冥人の血を半分受けついだフローラ姫は、生物と植物と話が出来る力のみを持った(魔力の薄れによる)。どんな生物、植物も彼女に従い、そのため彼女の住む密林地帯の人々はいつもその地にすむ生物や植物に守られていた。
 リヴリーが世界に広まった時、この密林にもリヴリーが入り、そしてそれを好んで食べる生物が生まれる(リヴリーを食べ続けることによって、リヴリーの力をもつ、人の長けよりも大きく成長してしまったオオカマキリ、ジョロウグモ、スズメバチなど)。
 フローラ姫はこの密林と彼女の支配下にある生物植物が住む所を、フロリア領とし、いきものとの共存の国を目指す。

・オルケミア術学の遺産、リヴリー擬人の誕生(渾歴〜1252年)
 リヴリーの生産、売買の傍ら、最高魔法の研究は続けられていた。微弱ながらも時空を移動するちからを持ったリヴリーの遺伝子に、純潔の人間の骨格の遺伝子を組み込むことで、人間の体に近いリヴリーが生まれた(リヴリー擬人の祖先)。そこから何度か純潔の人間と勾配をし、リヴリー5:5人間のリヴリー擬人が生まれた。
 彼らはリヴリーの体の特徴(能力も含め、耳やしっぽ、目など)を引き継ぎながらも、その他の身体的特徴は人間であった。彼らの中にも時空移動の能力を持った者もいたが、ちからはいまだ微弱だったため、オルケミア師団はリヴリーによる研究はこれで打ち切ることになった。結局、最高魔法の研究もすたれていき、オルケミア師団は各地に散って行った。

・返り咲く、オフェリアの花(渾歴1331年〜)
 オルケミア師団の地天国人達は母国の滅亡をきき、地天国の復活にちからを入れ始めた。そのためには強力な天空魔力をもつ天人とオフェリア王が必要だった。彼らはオルケミア術学によって天界へもどろうとするが、その魔術は完璧でなかったため、帰らなかったものも多かった。
 また、竜戦で死んだオフェリア王の魂は、それからも地天国領を離れず地上をさまよっていた。そこへ地天国人の一人の青年が現れ、自らの体をあけわたした。肉体を得たオフェリア王は、無事天界に行けた地天国人が連れてきた大天使メイアル=G=グラニアルと婚姻を結び、王子スディアル=グラニアル=オフェリアが生まれた。父をもしのぐ強大な魔力をもったスディアル王子は、オフェリア王と再び地天国を作り、名をオフェリアにした。
 巨大な城と地下に城下町、また城を守るために11の見張り塔を作り、強力な結界をはった。人口はまだ100人にも満たなかった。

・亜種と亜種の混合、そして亜種
 渾界には様々な種類の生物が生まれ、消え、ありとあらゆる勾配と交雑により種類は莫大に跳ね上がった。
 天人と冥人の血を受け継いだ者、魔力の薄れにより特定の魔術しか使えない者、リヴリー擬人の血を受け継ぎ耳やしっぽをもつ者。中には天界や冥界からやってきた天使、悪魔の血を受けた者や、妖精、バンパイア、人魚、などの様々な人の亜種。中でもリヴリー擬人の増殖は早く、世界人口比は、リヴリー擬人の血を受けている者が多くを占めるようになり、人間、天人、冥人の純血は珍しいものに成り代わっていった。また、その他の人の亜種は特に珍しく、売買の対象としても重宝されるようになっていた。

・オフェリアの渾界征服(渾歴1348年〜)
 国力を完全に回復したオフェリアは、再び渾界征服をもくろむ。かつてのオルケミア術学と、オフェリア王とスディアル王子の強力な魔力によって、多世界に通じる扉を開け、多世界の文化や魔術や、多世界の国との同盟を求めた。また、テルーラドラゴンを口車にのせ、だまし、作戦に協力させた。幻獣たちのおおくいる地域に進撃し、気性が荒く獰猛で冷酷な戦争に向いた竜(黒竜)や、ほかの幻獣たちを乱獲し、売買し、魔術研究によりもっと凶暴で、意のままに操れるようにしたり、いきものといきものを掛け合わせた亜種を生み出したりした。オフェリアの目的は渾界を統一すること、特に最強の魔術を手に入れるため。そして最強の魔術をもって、多世界を侵略するつもりであった。
 そして、ついに2年後(1350年)エンハンブレルの水の魔術に目をつけた。天空魔術、大地魔術両道に共通して持つ水のちからこそ、最強の魔術であるに違いないと。そしてオフェリアは、その中でも特に魔力の強い姫(ムシュ=エンハンブレル姫)に目をつけ、エンハンブレル征服のため、出陣した。
 同年、オフェリアのもくろみに気づいたティゲル大族国も、最強の魔術を求め、エンハンブレルに出陣する。

・第二次竜戦、勃発(渾歴1351年)
 兄テルーラドラゴンが完全に人側についたと知った妹のシードラゴンは海の底から飛び出した。オフェリアの行動に怒りに我を忘れ、体から噴き出る毒の汗で海は壊滅状態になった。そこにシードラゴンをしずめ、海を浄化しにやってきたユニコーンとグリフォンに出会い、再び竜戦を始めることを決めた。策略家のグリフォンの作戦により、オフェリアが他国に戦力を集中しているすきに城を攻めることになっていた。
 そしてオフェリアがエンハンブレルに進撃したことを知り、ついに竜戦を始める。不意を突かれたオフェリアは必死に対抗するが、勝負は見えていた。

・砂漠にもどった砂の花(渾歴1353年)
 強力な2国の進撃により、エンハンブレルはついに落とされた。姫の姿はなく、代わりに綺麗な宝石が転がっていた。王は、エンハンブレルへの進撃が始まったときから、即急に国あげての最大魔術を研究させ、姫を宝石に一時的に閉じ込め、別世界へ逃すという計画を立てていた。結局、抵抗した姫の無にもどすちからによって城は壊滅し、エンハンブレルはこの宝石だけしか残らなかった。なので、どの歴史書をさがしても、エンハンブレルという王国はこの時期にはまだ存在していないことになっている。
 同時期、オフェリアは竜戦の奇襲攻撃によって、アモールに負け、戦争につかわれたすべての竜は解放された。

・完全閉鎖、幻獣たちの国(渾歴1353年〜)
 テルーラドラゴンはオフェリアにとらわれ、かわりにシードラゴンが幻獣たちを守ることになった。やがてこの幻獣の国はアモールとよばれ、シードラゴンはなんぴとたりとも国を出入りできないよう、完全に封鎖した。シードラゴンは気に食わなかったが、もとからアモールに住んでいた人を追い出そうとはしなかった。