今より少し昔、リヴリー諸島の中のとある孤児院の中に、灯月とリオンがいました。ふたりはとっても仲良しで、このころはリオンは普通の女の子でした。
 ある年、空がへんにゆがんだかと思うと、ふたり、空から落ちてきました。ふたりはちりぢりに落ちて、一人は施設の近くの森に落ちました。学校の職員や、知らない白衣の人たちがそこに向かい、帰ってくると、その人は変わった服をきた緑の髪の女性でした。
 スロッドと名乗る彼女は、時空を越えられるちからがあると考えられ、一旦は施設に保護されましたが、そうでないと分かると扱いはひどくなりましたが、彼女は行くあてもなく、施設内の研究員になれないかと申し出ましたが、断られてしまい、追い出されます。こっそりと施設を見て回ったりし、施設の秘密を知ったスロッドは、ウィルという研究員が講演会をしにいくとわかると、こっそり見に行きました。その講演会の内容に、スロッドは深く感銘し、特に取り上げられていたファリーラムの生態に驚きました。ファリーラムは、彼女がいた時代の世界に、彼女自身が他の研究員達と城を守るために作った生き物だったのです。しかも、作られた当初から進化していて、さらに興味深い生き物になっていましたので、スロッドはちょっと嬉しくなって、講演会の終わった後、ウィルの所へ行き、ウィルの知らないような詳しいファリーラムの実態や、能力、体の構造や実験内容を教え、駄目もとで最後にもう一度だけ研究に加わりたいと申し出ました。
 「やっぱりまだあきらめがつきませんの、わたくしも、研究に加わらせてくれないかしら」
 ウィルはしばらく考えてから、ちょっと煙たそうにそっぽを向いて、
 「まあ人手が足らないのもありますし、此処の秘密が漏れては私が困りますので」
 新しい研究職員として加わったスロッドは、現代の新しい物事に慣れながら研究のお手伝いを始めました。施設の上階にある孤児院にも、ときどき臨時職員として、生徒の面倒を見るようになりました。そして、リオンと、灯月に出会います。

 翌年、学校の方に、ロキという新しい生徒が入ってきましたが、その数ヶ月後、灯月はついに学校施設の秘密を知って逃げ出してしまいました。そして、それを追うようにウィルはある理由でロキを連れ、施設を去ってしまいます。ちょうどその時くらいに、スロッドの弟であるパールが、スロッドを迎えに来ました。最初は断ったスロッドでしたが、その半年後、リオンを連れて施設を出ていき、自宅の地下の大きな研究室で、自分の好きなようにリオンを改造しだしました。

 そして一年が過ぎ、今、スロッドはまだ施設と関わりを持ちつづけ、実験試料として実験体を施設から調達しています。その10番目の実験体に連れてこられたネオピグミーの子供は、実験が成功したので、「じゅう」と名付けられ、スロッドの家に連れてこられました。実験の成功によって、じゅうの脳は肥大化してしまったからです。久しぶりにスロッドがリオンとじゅうを連れ、ウィルに会いに行くと、ちょうど、秘密を知った灯月がロキをウィルから切り離そうとして、ウィルの所にいました。久しぶりに再会した灯月とリオン、灯月は激しい変化を遂げてしまったリオンに少し驚きましたが、全然かまわず、じゅうにも親しんで、ロキも混ぜた4人は、見かけはちょっとちぐはぐですが、とても仲良しになりました。
 「あれっ…リオンちゃん…?」
 「灯月…ひさ/し…ぶりだね」
 リオンの髪のメッシュは紅梅色に染まる、すこし笑ったように見えた。
 「まだ彼女と関わっているの?その人にやられたんでしょ、ひどいね、私の家に来なよ。じゅうちゃんも一緒に」
 心配そうに眉間にしわを寄せる灯月だったが、リオンは優しく笑いかけた。
 「いいの…/わ/たしはスロッドさんが//好きだ…し」
 今でもウィルとスロッドは、研究の間だけは喋るし、仲良しで、お互いの家を行き来し、研究成果を見せあったり、助言したりされたりして、お互いの研究に打ち込み、灯月、リオン、ロキ、じゅうたちも、ふたりが会うときには、4人そろって遊んだり、外でピクニックをしたりしています。




スロッド、ウィル、リオン、灯月、需、ロキの関係設定(ラケ×almaさん)