逃げたくて 逃げたくて 逃げたくて
黒くて冷たい何かが心に突き刺さっていた
抜こうと思えば手が傷ついて
抜こうと思えば涙が出てくる
ぬるくなった僕の血が流れた
いつのころだろうか 僕に熱い血が流れていたのは
いつのころだろうか 僕が生きていたのは
死にたくても死にきれなくて
手に残ったのは黒くさびた僕の血
青い空にかざしても赤くない僕の手
息を吹きかけても消えなくなった小さなロウソク
飛んでも大地に残らなくなった僕の影
生きていた証はどこにもなくて いつのまにか僕の体は大地だった
嘆いても嘆いても 僕の声は もう誰の耳にも届かなくなって
追いかけても追いかけても 届かなくなって 僕は永遠に風となろう