冷たい鋼の鉄格子から見えた景色は前よりも鮮やかに手を招く
なめらかな春風よ どうか小鳥に伝えておくれ わたしはここだと

足枷を引きずって歩ける道はひとつしかないのだ
もう二度と虹をわたることはできないだろう
もう二度と風を追いかけることはないのだろう


冷たい赤煉瓦に爪を立てて奏でた音は前よりも克明にわたしをよぶ

だけどいけないの 足枷が重すぎて
今ではもう 空をつかもうと思っても届かないわ


みえない傷を隠すために 心臓はまだしっかり手の中で包まれている
躍動が収まらない 茨が締め付けそうさせるのだ

茨にふさわしい花は わたしは咲かすことはきっとできないというのに



冷たい鎖はわたしをぎゅうぎゅう締め付けるわたしを待っているのは誰
地を這う獣よ 小鳥はあなたのものよ わたしはもうそのさえずりを聞くことはできないから
身体におされた刻印をわたしは背負って生きていきます